集計に欠かせない[オートSUM]と
関数入力の3基本をマスター



関数の入力にもう手間どらない

 複雑な計算などを効率的に行なうのが「関数」。この関数の入力で思わぬ時間を費やしてはいないでしょうか?そんな場合は、関数の入力法をもう一度確認してみるのが近道です。
 ポイントは、使う関数の理解の度合いに応じて、3つの入力方法を使い分ける点。[関数の貼り付けダイアログボックス][数式パレット][数式バー]のそれぞれの利点をよく理解し、上手く使い分けましょう。
 これによって難しいそうで避けていた関数も楽々利用できるようになるはずです。


3つの関数入力法を使い分ける
「関数」はどんどん使うことが肝心。使えば使うほど、その便利さも実感できます。まずは関数の入力法。ここでは、3つの入力法を確認。関数によって3つの入力法を使い分けるのがポイントです。







関数のしくみ


複雑な計算式も簡単に算出できるようにしたのが「関数」。関数は上のような「書式」を取る。引数(ひきすう)は関数ごとに異なる。ここが関数のポイントだ。上は「C5からC11範囲の値を合計する」という式。


関数に応じて入力方法を使い分ける

 関数になれている人も、知らない関数をいざ使おうとすると、引数の順番などがわからずとまどってしまうのもの。ここでは使いたい関数の理解度にあわせて、どのような入力をしていばいいかを紹介しましょう。

A 関数名がわからない場合


▼関数名がわからない場合は、まず[関数貼り付け]ボタンからはじめよう。このボタンを押すと「関数の貼り付け」画面が表示。ここで「関数の分類」と「関数名」を指定し、目的の関数を設定。まず(1)答えを求めたいセルJ7を選択。(2)[関数貼り付け]ボタンを押す。




(3)[ヒント]ボタンを押し、検索欄に[何番目に高いかを求めたい]などを入力すると(4)関数名一覧に候補が表示。1つずつクリックし(5)関数の説明を確認し、(7)目的の関数を探す。「関数の分類」がわかっていれば直接(6)を選択。




▼目的の関数を選択し(8)[OK]を押すと「数式パレット」表示。数式パレットの白いボックスを引数ボックスといい、上から順に入力していくことで自動的に関数の書式である引数があてはめられる。ここでは範囲中の最大値を出すので(9)「範囲」、(10)「順位」を設定、(11)[OK]を押す。




J7に入った式は
=LARGE(C5:E11,I7)

知ッ得
「数式パレット」は関数の設定には便利なツール。上図の数式パレットの(A)を押すと、パレットが最小表示になり、セルの選択が楽になる。また(B)には数式の結果が表示。(C)の範囲には関数の説明が載る。関数に慣れていないあいだや、初めての関数を使う際には利用するようにしよう。



B 関数名はわかるが書式がわからない場合


▼書式がわからない場合は、[数式の編集]ボタンを使おう。(1)答えを求めたいセルを選び、(2)の[数式の編集]ボタンを押し、表示されたイコールのあとに関数名と ( と入力すると数式パレットが表示される。




▼関数名のつづりがわからない場合は、前回使った関数ならば(3)に表示されるので、(3)をクリックすると選択できる。また右隣の[▼]を押すと最近使った関数名が10個まで表示される。目的の関数がない場合は、(4)を押すと「関数の貼り付け」ボックスが表示される。




▼ここでは(5)「C5からC11までの範囲」の平均値を出す。平均値を求めるAVERAGE関数を使い、引数の「範囲」を設定し、(6)[OK]ボタンをクリックしてセルC13に関数が設定される。




C13に入った式は
=AVERAGE(C5:E11)


C 関数名も書式も理解しているなら


▼関数名も書式も理解しているのならば、(2)の「数式バー」に自分で入力するのが効率的。ここではセルI7の値が「1」の場合(1)に「☆次回目標売上高☆」と表示させる関数を設定している(このCHOOSE関数の設定については次回詳しい利用法を紹介)。これは関数上級者の入力方法だ。




I8のセルに入った式は
=CHOOSE(I7,"☆次回目標売上高☆","","")



利用頻繁ナンバー1[オートSUM]

 合計は関数の基本中の基本。そのため合計を求める「SUM関数」にだけ、ツールバーに専用の[オートSUM]ボタンが用意されています。このボタンの特徴は指定範囲を事前にしなくても自動的に範囲を指定してくれる点。範囲があっていれば[Enter]キーで式を確定、間違っていれば範囲を指定しなおすこともできます。[Ctrl]キーを押しながら離れたセルを選択するなど便利な方法を身につけ、[オートSUM]をさらに便利に使いこなしましょう。

合計は[オートSUM]ボタンで一発算出

 関数の基本となるのが合計値をボタンひとつで求めることができる[オートSUM]ボタン。ここでは、複数範囲や同一シートの離れたセル範囲を合計する場合の方法などもしっかりおさえておきましょう。

[オートSUM]ボタンの基本

▼[オートSUM]ボタンの特徴は、自動的に合計する範囲を設定してくれる点。(1)答えを求めたいセルを選び、(2)の[オートSUM]ボタンを押し、範囲が正しければ[Enter]キーを押すことで、C5からC11の範囲の合計値が求められる。




▼範囲が間違っていれば、指定したい範囲の左上端セルを起点にドラッグし範囲を指定することで、範囲の変更ができる。また、[Ctrl]キーを押しながら、セルを選択していくと、離れたセルの合計値も求められる。




複数範囲も一発で計算できる

▼行方向(ここでは国別)、列方向(ここでは月別)それぞれの合計値も[オートSUM]ボタンで一発算出できる。(1)それぞれの合計値を求めたいセル範囲を含め範囲指定し、[オートSUM]ボタンを押す。




関数設定後に変更・削除する方法



(A) 数式バーで編集
関数を設定後、指定の範囲を変更したいといった場合には、(1)関数が入ったセルを選択後、(A)数式バーをクリックし、数式バー上で指定範囲など入力しなおす方法がある。この場合セルの指定範囲などが色分け表示される。

(B) セルのなかで数式編集
(1)関数が入ったセルでダブルクリックする方法。これで(A)と同じように指定範囲などが色分けされる。セル内で入力を変更する際には便利。また(1)を選択後。[F2]キーでも同じように変更できる。

(C) 数式パレットで編集
(1)を選択し、(C)の[数式の編集]ボタンを押すと、数式パレットが表示される。引数の内容や順序がわからない場合や、範囲をマウスで指定しなおしたいといった場合には、この方法がもっとも便利。


知ッ得
「数式バー」直接入力する場合は必ず「=」から入力すること、関数を入力したあと引数を忘れても[Ctrl]+[A]キーで数式パレットが表示できること、引数のセル番地やセル範囲じゃ入力しなくてもセルをクリック、セル範囲ならドラッグでOK、などの点がポイントだ。



[オートSUM]で串刺し演算

 同じ形の表で同位置にある表なら、別々のシートの合計などを求めることができます。これを「串ざし演算」や「3-D参照」と言います。合計を求める場合は、[オートSUM]ボタンも有効なので、使い方をマスターしましょう。
 まずは、シートのグループ化を設定する方法を見てみましょう。次は、離れたシートの場合。シートが離れているとシートのグループ化が利用できないので、カンマを利用します。カンマで区切ることで離れた範囲を指定できるようになります。

複数シートの合計も[オートSUM]で算出

 [オートSUM]は[Ctrl]キーを押しながら指定することで、離れた範囲の指定を行なえるほか、複数シートの合計にも便利。ただし、この方法は各シートとも同じ形の表が入っている必要があるので注意しましょう。

全支店の合計を求める

▼同じ形の表で同じ位置にある表なら[オートSUM]での合計が便利。ここでは3支店の合計を全支店の合計シートに集計。(1)集計したい全支店のシートのC5からF12までを範囲選択し、(2)[オートSUM]ボタンをクリックする。




(3)[東京]シートをクリック、キーボードの[Shift]キーを押しながら[名古屋]シートをクリックする。これでシートがグループ化。(4)この状態でC5をクリックすると3支店のC5をすべて選択できたことになる。(5)再度[オートSUM]ボタンを押せばOK。




東京と名古屋店だけ合計する

▼集計したい全支店のシートのC5からF12までを範囲選択し、[オートSUM]ボタンをクリック、(1)[東京]シートをクリック、(2)C5をクリック、数式バーをクリックして(3)キーボードから[,]を入力する。




(4)[名古屋]シートをクリック、(5)Cの5番地をクリックして、(6)[オートSUM]ボタンをクリック。この方法では、シートごとにセルを選択できるので、同じ形の表であれば別々の位置であっても合計できる。




独自の文字列を表示させるには



「使える」表のポイントは「表示形式」にあり。たとえば数字「1230」を「\1,230」と表示させると、金額がわかりやすい。設定は各セルで右クリック→[セルの書式設定]→(1)[表示設定]タブの画面で行う。今回はI7セルの「1位」。「1」と入力すると「1位」となるよう設定。「分類」で(2)[ユーザー設定]を選び、(3)[G/標準"位"](ダブルコーテーションで囲むと文字列として認識)とし、(4)[OK]で設定。