株式会社 SSKPC

A00382 2000/01/01
DVD
東芝、松下電器産業、ソニーなど9社が策定したビデオディスクの統一規格の総称。音楽用CDと同じ直径12cmの光ディスクに、動画や音声、テキストなどのデジタルデータを収録する。デジタルデータを再生記録するパソコン用記憶装置としてはDVD-RAMやDVD-ROMなどの普及が始まっている。  厚さ0.6mmのディスクを2枚貼り合わせた2層構造と、読み取りや書き込みに使用するレーザー光の波長を短くすることで、大容量を実現している。基本となる片面1層方式ディスク(再生用)の容量は4.7GB、MPEG2の信号圧縮による映像を135分収録できる。このほか、規格としては両面1層(9.4GB)、片面2層(8.5GB)、両面2層(17GB)などの方式があり、順次製品化される見込み。  規格化の段階では、ソニーやオランダのフィリップスの陣営が提唱したマルチメディアCD(MMCD)と、東芝や松下電器産業など日米7社が提案したSDが業界標準の座を争っていた。95年9月に両方式を統合することで合意、名称も正式にDVDとした。  DVDの構想段階でVTRやレーザーディスク(LD)の後継という面が強調されたため、米ウォルト・ディズニーや米タイム・ワーナーなど7社が、要求仕様を開発メーカーに逆提案した。1枚のディスクに映画が1本丸ごと入る、現行のハイエンドビデオ機器を上回る高画質で、音質はマトリックスサラウンドやハイファイオーディオと同等、1枚のディスクに3~5カ国語の音声が収録できる、コピー防止機構を設ける、ワイドテレビに対応して画面を複数の縦横比で再生できる、などが主な内容。  一方、DVDを大容量のデータ記憶媒体として利用したいと考えるコンピューター業界からは、CDとの互換性維持、将来の書き換え・追記型ディスクとの互換性確保など、9項目からなる要望が提出された。  このような経緯の果てに誕生したDVDは、規格提唱メーカーが持ち寄った多くの要素技術を抱え込むことになり、使用目的の違いも手伝って多くの派生ディスクを生んでいる。  AV(音響・映像)分野での利用を目的としたDVD-Videoでは、映画館などで採用されている5+1チャンネルの立体音響システムであるドルビーデジタル(AC-3)や、音楽用CDを超えるサンプリング周波数を持つリニアPCM音声も規格に盛り込まれている。  96年11月には東芝、松下電器産業を皮切りに、家電メーカー各社が家庭用のDVD(DVD-Video)プレーヤーを投入した。当初、ソフト不足から売れ行きが低迷したが、98年ごろから映画タイトルなどが増え、販売が上向きつつある。  コンピューター用としては現行のCD-ROMを置き換える大容量規格としてDVD-ROMが開発された。CD-ROMとDVD-ROMの両方が再生可能なドライブを搭載したパソコンは、96年末に松下電器産業、富士通などから発売されたのが最初。現在、各社がハイエンドモデルを中心に採用しているが、ドライブ価格が下がってきたこともあり、CD-ROMドライブの代わりに標準搭載を進めるメーカーも一部に出てきている。  データ用としてはこのほかに、追記型のDVD-Rや、書き換えが可能なDVD-RAMがある。97年4月に正式に規格がまとまった。DVD-Rはディスク片面に3.95GB、またDVD-RAMはディスクの片面に2.6GB、両面を使えば5.2GBのデータを記録できる。このほか、DVD-RAMと競合する規格としてDVD-R/WやDVD+RWといった新しい規格が提唱されている。