A00433 2000/01/01
EPWING イーピーウイング
辞典や事典など、検索用途中心のデータを収めたCD-ROMの制作や利用を容易にするための規格。辞書系のCD-ROMでは、通常は検索対象のデータと検索用ソフトが必要になるが、このデータ形式を統一することで汎用性を持たせた。 実現すべき検索機能(前方・後方一致検索や複合語の検索、関連語検索など)と、それに合わせたデータの記録形式を定めた。ユーザーはEPWING用のビューワーソフトを用意すれば、この形式で記録されたCD-ROMを同じ操作性で利用できる。代表的なビューワーソフトに岩波書店の「こととい」などがある。 86年に富士通と岩波書店が制作した広辞苑CD-ROM版がEPWINGのベースになっている。富士通が中心となって出版社、印刷会社、電機メーカーなどに採用を提案した。91年10月には関係各社が参加するEPWINGコンソーシアムが設立され、CD-ROMや検索ソフトの互換性保持などを行ってきた。 初期の方式で扱えるデータは文字が中心だったが、その後の改良でカラー図版表示やWAVファイルのサウンド再生、動画再生などに対応した。現在、EPWING V5.0まで発展している。