株式会社 SSKPC

A01228 2000/01/01
UNIX ユニックス
69年に米AT&Tベル研究所で開発されたマルチタスク、マルチユーザー仕様のOS。当初はミニコンピューター用として、80年代前半からはワークステーション用として、多くの大学や研究機関で利用されてきた。特にインターネットに接続されている多くのサーバーでUNIXが使われており、UNIXを前提とした仕組みや作法がインターネットに色濃く反映されている。  米カリフォルニア大学バークレー校が初期のUNIXに独自の機能拡張を加えており、同校版をBSDと呼ぶ。84年にリリースされた4.2BSDで、TCP/IPでのネットワーク機能が取り入れられた。これによってUNIXシステムをLANに組み込むことが可能になり、各地のLAN同士を結ぶネットワークが発展、インターネットの基盤になった。  現在のUNIXは、83年にAT&Tが発表したSystem VをベースにしたSystem V系とカリフォルニア大学バークレー校が開発したBSDをベースにしたBSD系の2つに大別される。  UNIXは発展過程でさまざまな研究機関やメーカーが独自に機能を拡張したため、UNIX用のソフトウエアが増加するにつれて互換性の問題が生じてきた。そこで88年、当時UNIXのライセンス管理を行っていたAT&Tが、米サン・マイクロシステムズなどのワークステーションメーカーと協力してUNIXインターナショナル(UI)を組織した。一方、米IBMや米ディジタルイクイップメント(当時)などはAT&T陣営に対抗する組織としてOSF(Open Software Foundation)を結成したため、UNIX業界は二分された。  93年3月になって両陣営の主力メンバー6社がソースコードでの互換性を実現するためのプロジェクトであるCOSEを発足させたことで、事実上UNIXの統一が実現した。さらに93年9月にはX/Openという中立的団体を舞台に、OSFとUIがUNIXのシステムレベルの互換性を確保するための作業を開始することで合意した。  UNIXという商標はAT&TからX/Openに移行し、X/Openは96年2月にOSFと統合、新しい標準化団体The Open Groupを発足した。The Open Groupは現在、統一UNIX仕様を管理している。98年5月には64ビットUNIX仕様などを定めたUNIX 98を公開した。