A01819 2000/01/01
シャドウマスク shadow mask
CRTディスプレイの管の中にある、電子ビームを目標の画素に対応する蛍光体に導くための金属板のこと。管面(表示面)のすぐ後ろにあって微細な穴が開いている。 CRTでは、電子銃から発射された電子線が、偏向ヨークと呼ばれる電磁石によって方向を制御され、一定の順序で蛍光体に当たる。シャドウマスクはその電子線を目標の蛍光体だけに正確に当てる役割を果たす。位置がずれた電子線はシャドウマスクで遮られ、マスクを通り抜けた電子線だけが蛍光体に当たるので、シャープな映像を表示できる。 しかし、シャドウマスク方式だと管の周辺部で電子銃の位置から見た穴の見掛け上のサイズが小さくなるため、通過する電子線量が減る。つまり、画面の周辺部ほど鮮明度が落ちてしまう。また、シャドウマスクの穴を通過する電子線は10~15%程度しかなく、大半はマスクにぶつかって熱に変わる。この熱でマスクが膨張して、電子線が正確に通過できなくなる現象も発生する。 こうした欠点を解消した方式がアパーチャグリル。アパーチャグリルは金属板の代わりに、金属ワイヤーを管の上下にすだれ状に張る。電子ビームの透過量がシャドウマスクよりも多くなるため、画面を明るく鮮明にできる。